長時間労働で脳卒中のリスクが増加すると英医学誌が発表

週の労働時間が55時間以上の人は、同35~40時間の人と比較して脳卒中のリスクが33%高まる可能性があると、イギリスの医学誌ランセット(Lancet)にて発表された。

長時間労働で脳卒中のリスク33%増加、研究
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6171528


週55時間以上ということは、週の残業が15時間なので1ヶ月を4週間とすると月に60時間以上の残業に相当する。

日本の過労死基準は厚生労働省が決めている

日本では月の残業が45時間を超えると脳・死蔵疾患(脳卒中に限定はしていないが)の発生リスクが高まると厚生労働省によって発表されているので、今回のイギリスの発表内容はまあまあ妥当な数値と言えるだろう。

脳・心臓疾患の認定基準の改正について
http://www.mhlw.go.jp/houdou/0112/h1212-1.html

この「脳・心臓疾患の認定基準の改正について」には、

  • 月の残業が45時間を超えると発症と業務との関連性が疑われる
  • 月の残業時間が長くなるほど発症と業務との関連性が高くなる
  • 発症前1~6ヶ月に渡って月の残業時間が45時間を超えて時間外労働時間が長くなると発症と業務との関連性が徐々に高まる
  • 発症前1ヶ月に100時間の残業、もしくは発症前2~6ヶ月に月の残業時間が80時間を超える時間外労働が行われると発症と業務との関連性が高い

といった所謂「過労死基準」について詳細に記載されている。過労死基準となる残業時間は80時間である、という話は結構有名なので一度くらい聞いたことがあるかもしれないけど、その根拠となる資料である。

イギリスの労働時間がEU諸国よりも長いゆえの研究か?

日本の脳・心臓疾患による過労死基準は平成13年には発表されていた。一方、イギリスは平成27年になってようやく長時間労働と脳卒中のリスクとの関連に気が付いたようである。国の通達と論文という違いや、日本の場合は脳・心臓疾患としており脳卒中と限定していない点などの違いはあるものの、何故イギリスは日本から約15年も遅れて気が付いたのだろうか?

調べてみるとイギリスは他のEU諸国と比較して労働時間が長いようである(と言っても日本の労働時間がブッチギリで長いのは変わりない)。ちょっと古いけど、以下の資料ではイギリスの週の平均労働時間が43時間で中には48時間を超えてしまう労働者もいるようなので、長時間労働が問題かしつつあるのではないだろうか。

イギリスの労働時間制度
http://www.jil.go.jp/foreign/labor_system/2004_5/england_01.html

それならば今頃になって長時間労働と脳卒中のリスクに関する論文が発表されたことも納得できる。

以前、「仕事のし過ぎや低賃金がストレスの原因となる」ことにアメリカが今更気付いた理由という記事でも書いたけど、日本の労働環境は他国に比べて過酷なんだなという点を改めて認識した。



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