効率化して残業時間を減らすのは意外と難しい

社員が過労死したりうつ病になったりするのを未然に防ぐためにワークライフバランスの実現に向けて取り組みを行なっている会社は徐々に増えてきている。

そういった取り組みの例としては最も一般的であると思われるのは残業時間の短縮だろう。長時間労働は過労死やうつ病の大きな原因の内のひとつなので、残業を減らして労働時間を短くすることは過労死やうつ病を減らす効果が大いに期待できる

しかし、このブログでも何度も繰り返し述べているが、会社全体として残業時間短縮のためにノー残業デーを設定するなどしても社員が担当する仕事量が減ることはまずないので、会社の指示通りに残業時間を減らすことができる社員はほとんどいない。

そういう状況でも会社や上司は(決して仕事量は減らさないけれど)社員に残業はさせたくないので、次に飛び出てくる指示は「仕事を効率化して残業時間を短くするように努力しろ!」である。ただ、「効率化して残業時間を短縮する」というのは簡単そうにみえて実は非常に難しい

というのも、「効率化する」ということは、「現状の仕事の進め方の問題点を洗い出して改善し、新たに仕事の仕組みを作り直す」ということを意味するからだ。つまり、仕事を効率化しようと思ったら仕事そのもの以外の余計な仕事が増えるということなので、普通に仕事をする以上の時間が必要となるのだ。

例えば、何らかのデータ処理の仕事を効率化して短時間で終わらせるためには、手作業での処理をやめて(問題点の洗い出し&改善)エクセルのマクロを組む(新たに仕事の仕組みを作る)といった作業が必要になる。この場合はマクロ作成というデータ処理そのものではない仕事が増えるということなので、もし、本来のデータ処理の仕事だけで毎日残業まみれなのであれば効率化のためと言えどマクロ作成なんてやっている暇なんてどこにもないことがわかるだろう。

このように、効率化して仕事の時間を短縮しようとすると仕事が増えてしまうため、仕事の効率化というのは意外と難しいのだ。特に、日頃から残業まみれなのであれば効率化のための時間なんて捻出できるはずがないので、残業が多い社員に対して「仕事を効率化して残業時間を短くするように努力しろ!」と指示をしたところで効率化なんて不可能なのだ。

サラリーマンの過労死やうつ病が社会問題となっている中で、社員のためにワークライフバランスの改善に取り組もうとする会社の姿勢は高く評価できることだと思うが、本気で社員のことを気にかけているのであれば一時的にでも良いから人員を増やすことを強くお勧めしたい。人が増えればある社員が実務をこなしている間に別の社員が効率化を進めることができるので確実に効率化することができるだろう。

一時的に人件費が増えてしまうが、仕事が効率化されて残業時間が短くなれば最終的には社員と会社の双方にメリットがあるので悪い話ではないと思う。



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