定時退社を指示するだけで残業がなくなれば誰も苦労しない。

約2年前の2010年12月に、ノー残業デーに残業をしようとしていた京都市役所の職員(係長)が上司(課長)から残業を注意されたことに腹を立てて課長に体当たりをし停職5日の懲戒処分を受けるという事件が起きた。

腹が立ったからといって暴力を振るうことは当然アウトなので係長が懲戒処分を受けたことは自己責任としか言いようがないが、この係長が腹を立てる気持ちはとてもよくわかる。たぶん僕でなくても日常的に残業をしているサラリーマンであれば同情したくなるのではないかと思う。

というのも、この係長は休職中の職員の業務をカバーしていたため仕事の量が増えていたにも関わらず、そういった状況は一切考慮されずに「ノー残業デーだから帰宅するように。」と注意されていたらしい。

同課では9月から職員1人が休職中で、係長が業務をカバー。係長は「作業が増える中で、早く帰れと言われカッとなった。反省している」と話している。
リンク先の記事から一部抜粋

仕事が終わらないから仕方なく残っているのに、頭ごなしに「残業はダメだからさっさと帰れ!」と言われたらそれは頭に来て当然だろう(ただし、やはり暴力はダメだ)。

この事件のように、とても定時退社できる量の仕事ではないのに、ノー残業デーだから、残業は非効率だから、残業代を払いたくないから、という理由で定時退社を促されるサラリーマンは結構多いのではないかと思う。そういう場合、定時に帰って仕事が遅れた分だけスケジュールを後ろに延ばすことが許されるのであれば喜んで定時に帰ることができるが、大抵は定時に帰りつつスケジュールも遵守することを求められる。はっきり言って無理ゲーだ。

そもそも定時退社を指示するのであれば、単に指示するだけではなく無理なく定時退社できるように各個人の仕事量も調整をしなければならない。それが管理職である上司の仕事であるはずだ。しかし、現実には仕事量の調整という管理職として一番重要な仕事を一切行わずに定時退社のみを指示するから部下の怒りを買ってしまう。今回の事件の係長のケースなんてまさにそうだと思う。

定時退社を指示するだけで残業がなくなれば誰も苦労しない。ノー残業デーをきちんと機能させたいのであれば”管理職”という立場の人間はその点を念頭に置いた上で各個人の仕事量の調整を行なって、実際に定時退社できる環境を整える義務がある。



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