ノー残業デーがある会社は毎日がイエス残業デーである

長時間労働による過労死やうつ病の増加によって社員のワークライフバランスを改善するためにノー残業デーを設定する会社が増えている。

基本的にノー残業デーは突発的な例外を除いて残業禁止であるので社員は定時で帰ることが求められる。会社が「さっさと帰って体を休めたり趣味に時間を費やしたり家族と一緒に過ごしたりしてね。」と社員を労ってくれるわけだ。朝から晩まで奴隷のように社員をこき使う会社が多い中で何ともありがたい制度だ。

という話には残念ながら成り得ない。何故ならノー残業デーを設定しているということは、ノー残業デー以外の日は残業が当たり前のイエス残業デーであるということだからだ。痩せている人がわざわざ「私、ダイエットしています!」と言ったりしないように、定時帰りが当たり前の会社であればノー残業デーなんて設定する必要がないはずである。それなのにあえて明示的にノー残業デーがあると宣言しているのはそういう理由があるからだ。ノー残業デーという言葉には間違っても騙されてはいけない。

まあ、こんな話は会社勤めをしているサラリーマンであればいちいち僕に言われなくてもわかっているはずなので、ここでは就職活動中の大学生や高校生に注意を促したいと思う。

リクナビで”ノー残業デー”というキーワードで検索してみたら約80社が検索結果に現れた。検索結果の上の方から無作為に各会社の採用情報内のノー残業デーに関する記述を選んでみたら以下のようになった。

  • 毎週水曜、金曜は全社的にノー残業デーに取り組んでおり、各々が趣味を楽しんだり、充実した余暇を過ごしています。
    https://job.rikunabi.com/2013/company/top/r493030011/
  • 決まった曜日に『ノー残業デー』を設けているので、習い事なども両立できます。
    https://job.rikunabi.com/2013/company/top/r926500002/
  • 当社では、社員に喜ばれ、社員が誇りとし、社員が家族から感謝される会社になることを掲げ、ワーク・ライフ・バランスに取り組んでいます。主な内容としては、毎週水曜日のノー残業デーの実施、残業の事前申告制、仕事と家庭の両立支援宣言の公表・・・などです。
    https://job.rikunabi.com/2013/company/top/r827340070/
  • ※ノー残業デー  ・・・  H21.4.18 導入
    業務時間内密度の向上を目的として、毎週水曜日をノー残業デーとして設定しています。
      とりあえず、週1回から自分の自由時間(放課後)を作って楽しんでください。
    https://job.rikunabi.com/2013/company/top/r969300077/

これらを見るといずれの会社も社員が仕事以外の時間を確保できるように努力している姿勢をうかがうことができるが、その姿勢は少し、いや、かなりズレていると言わざるを得ない。

大前提として残業というのはあくまでの例外であって定時帰りが平常運転であるはずだ。にも関わらず週に1~2回のノー残業デーを設定したからといって「社員のワークライフバランスはしっかり確保しています!」とするのは言い過ぎだと思うし、4年も前(H21年)に”とりあえず”設定した週1回のノー残業デーが未だに増えていないのはどういうことなのかと問い詰めたい気持ちになる。

それでも面接で「うちは毎日定時帰りですよ(^^」と言っていたのに入社してみたら毎日残業地獄だったというようなブラック企業と比べると、ノー残業デーありで他の日はイエス残業デーの会社の方が予め残業を覚悟して入社できるだけ良心的なのは間違いないと思うのも確かだ。

いずれせよ、今現在就活真っ只中の大学生や高校生はノー残業デーという言葉の響きに騙されず、ノー残業デーの裏にはイエス残業デーが隠れているということをしっかりと意識して志望先の会社を決めて欲しいと思う。



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