妊娠しやすい年齢がわかる副教材があっても最適な年齢に出産はできるとは限らない

文部科学省が女性の妊娠のしやすさと年齢や不妊の関係をまとめた副教材を高校生の保健体育の副教材として作製したとのこと。

<文科省>妊娠しやすさと年齢、副教材に 高校生向けに作製
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150821-00000026-mai-soci


妊娠・不妊について学ぶ教材としては良さげ

22歳をピークに妊娠のしやすさが徐々に低下していき40歳超は妊娠が難しくなることや喫煙・飲酒等が妊娠に与える影響などについて解説されているらしく、妊娠について学ぶための教材としては有効活用できそうな感じがする。女性も男性も子供が欲しいと思うなら何歳くらいを目処に結婚した方が良いのか等の人生設計を行う上で必要な知識になるので、知っておくと何かと役に立つ内容だと思う。

また、「不妊=女性が悪い」という間違った方程式の誤解を解くために男性側が原因の不妊についても取り扱っているようでポイントが高い。

妊娠に適した年齢に妊娠・出産できるかどうかは別問題

ただ、ちょっと気になるのがどういった意図でこの副教材が作製されたのかという点だ。少子化でヤバイと何年も前から言われている状況下で突如こんな副教材が出てきたら、「お前らさっさと若い内に子供を作って若年人口を増やすことに貢献しろ!」と暗に言われているのではないかと邪推せざるを得ない。

22歳が妊娠しやすさのピークなのはわかったけれど、現実問題として大学を卒業して就職するのは23歳だからそのタイミングで結婚&妊娠というのは無理があるし、広告を卒業してすぐに働き始めた男女で考えても(仕事によるだろうけど)高卒4年目の給料で家族3人が生活していくのはちょっと厳しいのではないだろうか。

昔は年功序列が機能しており会社を辞めない限りは給料が右肩上がりなのは確実だったのなので、その辺りを見越して20代前半で結婚&妊娠しても全く問題にならなかったのかも知れないが、今の時代は将来的にはあまり高くない水準で給料が頭打ちになってしまうし、そもそも給料が上がる見通しが全く立たないからこそ結婚はしたとしてもなかなか妊娠まで漕ぎ着けられない状況であるのは確実だ。僕の知り合いにも結婚はしたものの一馬力では到底生活できそうにないからと子供を作る気(というよりも作りたくても作れない)がない夫婦が何組かいる。

若いうちに子供を作った方が良いというのはわかる話であるけれど、だからといって若い内から妊娠・出産できるかどうかは全くの別問題であるということだ。

若年層が将来設計できるような社会基盤を作るのが先

そもそも、子供を作るとか作らないとか言う以前の問題として、

  • 非正規雇用の増加
  • 消費税の増税
  • 年金・保険料の増額

などによって負担が増えるばかりで自分の生活さえままならないという人も増えてきている。

そんな時代に「若い方が妊娠しやすいよ!」と言われたからといって「じゃあ、結婚して子供を作るか!」とは到底なり得ない。もし、今回の副教材の効果としてそんな結果を期待しているのだとしたら、頭なお花畑過ぎる。

別に贅沢三昧で暮らせる生活環境が必要なわけではない。将来の見通しを立てたときにその中に結婚・妊娠・出産を自然と盛り込めるような雇用環境や社会環境があればそれでいい話なのだから、若年層が暮らしやすい国作りに精を出してもらいたい。

そうすれば放っておいても自然と子供は増えていくだろう。



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