失業保険の拡充で職探しの意欲は本当に下がるのか?

サラリーマンなら毎月給料から天引きされている雇用保険料の額を決める雇用保険料率を引き下げるための議論が始まったらしい。

雇用保険料>引き下げに向け議論 厚労省、年内にも結論
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150818-00000039-mai-pol


失業率の減少により毎月積み立てられている金額が6兆円を超えており過剰であるからというのが主な理由で、積立金額が大きいことからそれを利用して過去に縮小された給付(期間の短縮と給付率の減少)の拡充を求める意見も出ているとのこと。

しかし、それに対して失業保険の拡充だけでは職探しの意欲をそぐのではないか?という指摘が行われているようだ。これは本当に正しいのだろうか?

現状、ブラック企業が蔓延っている理由はいろいろあるけれど、失業保険の頼りなさも原因の一つだと僕は思っている。自己都合の退職なら3ヶ月の待機期間があるのでその期間を超えなければ失業給付は受けられないし、30歳未満の若者であれば、年齢を理由に長期間の給付を受けられない(30歳未満の所定給付日数は最長で180日だが10年以上勤めていないとダメ)。

基本手当の所定給付日数(ハローワーク)
https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_benefitdays.html

一旦仕事を辞めたら失業給付金を貰える期間までは貯金を切り崩さないと生活できないので薄給サビ残地獄のブラック企業に勤めていたら辞めるに辞められないし、仮に何とか辞めて3ヶ月の待機期間が明けたとしても勤務期間が5年未満だと90日、5年以上10年未満だと120日しか失業給付を受けられないので、給付期間中に次の仕事を見つけようとして企業選びも慎重に行うことができずブラック企業の餌食になる可能性が高くなってしまう。

別にオランダのような手厚い失業保険(最長で5年間、最低賃金の70%が支給される)を用意しろとは言わないけれど、せめてサービス残業の証拠を握った上で退職したときには3ヶ月の待機期間なしで通常よりも長い期間の給付を受けられるようにするくらいの頼りがいのある失業保険になって欲しい。そうすればブラック企業から気軽に逃げられるし次の職探しも余裕を持って行うことができるのではないだろうか。ブラック企業は人材不足で淘汰されて業界が正常な競争をできるようになり、労働者個人の不幸も解消される。嬉しいことばかりだ。

実際のところ、失業保険を多少拡充したところで最終的には仕事を探さなければ生活できないのだから職探しの意欲がなくなることはないだろう。それよりもブラック企業に捕まってしまって辞めたくても辞められない人達の救いになってくるはずなので、拡充が職探しの意欲を削ぐなんて消極的な発言は止めて欲しいと思う。



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