外国人技能実習生が低賃金・サービス残業・長時間労働で過労死している実態

先日、2020年開催の東京五輪に向けて高まる建設特需に対応するために政府が外国人研修生の受け入れを拡大しようとしていることについての記事を書いた後、気になって外国人技能実習制度について調べてみたところ、制度の実態にはかなり問題がありそうだ。


まず、JITCO(公益財団法人国際研修協力機構)のHPによると、外国人技能実習制度の目的は以下の通り。趣旨に沿って適切に運用されているのであれば素晴らしい制度だと思う。

「外国人技能実習制度」の趣旨(一部抜粋)
この制度は、技能実習生へ技能等の移転を図り、その国の経済発展を担う人材育成を目的としたもので、我が国の国際協力・国際貢献の重要な一翼を担っています。
http://www.jitco.or.jp/system/seido_enkakuhaikei.html

しかし、安い労働力を確保したいと制度を悪用するブラック企業により過酷な労働環境に置かれている外国人研修生の数も少なくない。

「時給400円」の強制労働 中国人技能実習生を過労死させた“現代の奴隷制度”の実態
http://www.mynewsjapan.com/reports/1793

上記は2008年に中国人技能実習生・蒋暁東(チアン・シアオトン)さんが月に僅か2日の休みで150時間の残業をこなした末に過労死してしまった痛ましい事件(日本で初めて外国人研修生・技能実習生の過労死が労災認定された)についての記事である。当然、残業代が満額支払われたわけはなく、時給400円という雀の涙ほどの金額だったとのこと(最低賃金に満たない分はサービス残業)。この過労死事件が制度の趣旨から大きく外れていることは言うまでもなく、制度を悪用して行なわれている外国人の奴隷労働であると言わざるをえない。



残念なことにこのような過労死事件は他にも発生しているようであり、2011年度における死亡者285人のうち過労死であると思われる「脳・心疾患」は85人と全体の30%にも達している。

2011年度外国人研修生・技能実習生の死亡者数
http://www.jitco.or.jp/cgi-bin/press/detail.cgi?n=620&ca=2

常識的に考えて現代の日本において労働者の30%が過労死するような労働環境は異常である。日本中にブラック企業が多数幅を利かせているとは言えそんな会社や業界はおそらく存在しないこと考えると、制度を利用して来日する外国人研修生・技能実習生達が過酷な奴隷労働に従事している実態は明らかである。



奴隷労働が横行している現状を改善せずに安易に外国人の受け入れを拡大すれば更なる被害者が増えるだけだ。普段から日本人相手に過酷な労働を強いているブラック企業が国のお墨付きをもらって外国人を受け入れるようになったら結果は火を見るよりも明らかであり、東京五輪の関連施設は外国人の屍の上に建つことになる可能性が非常に高い。

2020年の東京五輪はオリンピック史上最悪の平和の祭典になりそうだ。



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