サービス残業や無協定での残業など保育士の過酷な労働環境が浮き彫りに

北海道労働局が実施した北海道内の保育所220ヶ所を対象にした立ち入り調査にて、181ヶ所(全体の82%)で労働基準法などの法令違反が見つかったとのこと。


北海道内181保育所 法令違反で労働局が是正勧告 無協定や時間外不払い
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/517633.html

記事によると、法令違反の具体的な内容は、

  • 労使協定未締結の状態で時間外労働を行なわせた
  • 書面で労働条件を明示していない
  • 時間外労働の割増賃金(残業代)を払っていない

といったものらしい。巷に溢れるブラック企業と同様に、保育士の労働環境もかなり過酷である。

帰宅してテレビをつけたらちょうどこの記事と同じ内容のニュースがNHKで放送されていたが、インタビューを受けていた保育士によると、子どもと一緒にいると事務仕事ができないため休憩時間や持ち帰り残業で対応するしかなくサービス残業をせざるを得ない状況であるようだ。また、連日サービス残業を強いられて疲労が溜まるせいで子どもと接する際に余裕がなくなってしまう、とも語っていた。



子どもが好きで責任感や使命感が強い人が保育士になるのだろうけど、この労働環境の劣悪さは典型的な「やりがいの搾取」だと思う。「子どもが好きでやっているんだから、給料安くても保育士として働けるだけで満足だろ?」という経営者側のブラックな思考見え見えである。

NHKニュースのインタビューで語られていたように理不尽な労働環境に置かれていると気持ちに余裕がなくなってしまう。そんな状態で保育士として求められる水準の仕事ができるのかどうかは怪しいものであり、保育所に預けられる子どもだけでなく、その子ども預ける保護者達に対しても余計な不安や抵抗を感じるさせてしまうのは明らかだ。

子どもの相手をしている最中は事務仕事ができないということはわかりきっていることであるにも関わらず、使命感や責任感に付け入ってサービス残業で対応せざるを得ないような劣悪な労働環境を放置することは、保育士に対しても、子どもに対しても、保護者に対しても非常に不誠実であり極めて罪が重いことを保育所の経営者には自覚してもらいたい。



今回の立ち入り調査の後、北海道労働局は北海道保育協議会に労働条件の改善を求める異例の要請を行ったとのことだけど、これでどれだけ改善が期待できるかどうかは不明である。

ただ、保育所は日本の将来を担う子ども達を預かるという大切な役割を果たしているのだから、そこで働く保育士の労働環境は徹底的に改善して欲しいと思う。



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