人材不足対策に魅力発信する前に「自分の子供をその仕事に就かせたいか?」を考えろ

人材不足の業界では、仕事の魅力を発信して人材確保をしようとすることがある。

県内建設業界 人材確保へ魅力アピール
http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14400822686511
介護の人手不足―魅力向上に手を尽くせ
http://www.asahi.com/articles/ASH3Y52RGH3YUSPT001.html
北海道)関東の学生60人が酪農ヘルパー体験
http://www.asahi.com/articles/ASH8N2W97H8NIIPE001.html

人材不足の代名詞である土木・介護・酪農では結構多いが、魅力だけで人が集まるとは到底思えない。


魅力発信 = やりがい搾取宣言

いずれの業界も激務で休みが少ない上に土木以外は極めて薄給なことでよく知られているにも関わらず、業界内の人間が絶対に知らないはずのないこれらの事実には触れないで仕事の魅力だけを一方的に伝えて人を募ろうというのはフェアではないし、最初から悪条件で働かせてやろうという魂胆が見え見えだ。

給料・年間休日数・有給・その他福利厚生にほとんど触れずに仕事の魅力だけを発信している状況は「やりがいを搾取します!」と声高らかに宣言しているのと同義であることに気付いていないのだろうか。仮に仕事の良い面だけを見て騙された人々が就職したとしても、現実に直面したら早々に辞めてしまう可能性が高い。

そんな理由で人材不足の業界はいつまでたっても人材不足が解消されないのだろう。

やりがい単体では存在できない

こういった仕事の魅力発信において根本的に欠けているのが、そもそも仕事は生活の手段でしかなく仕事は自分の人生を豊かにするためにするものである、という点だ。

もちろん、だからといってやりがいがどうでも良いとは言わない。例えば、数十年単位で人々の生活を支える役目を持つ道路や橋などを作る土木の仕事はとても有意義で魅力的なものだと感じる。しかし、仕事のやりがいというのは自分の生活基盤を支えることができる仕事に上乗せされるものであって、やりがいだけが独立していることはあり得ない。

仮にやりがいだけに惹かれて就職した人がいたとしても、そのうちやりがいだけでは生活できないことに気付いて業界を去って行ってしまうのは避けられないだろう。

自分の子供に悪条件の仕事を薦められるか?

生活基盤としての仕事とやりがいの関係があやふやなまま良い面ばかり発信される現状に疑問を抱く僕としては、発信する側の人間に考えて欲しいことがある。それは、「あなたが魅力をアピールしているその悪条件の仕事に自分の子供を就かせたいと思いますか?」ということである。

もし「絶対ムリ。」とか思うのであったら、どの程度まで条件(給料・年間休日数・有給・その他福利厚生)を引き上げれば自分の子供に就かせても安心できる仕事になるのかを考えて実際に改善してから、魅了を再発信して欲しいと思う。

赤の他人だって誰かの子供なのだから、自分の子供に薦められない仕事を他人の子供に進めて良い道理はない。



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