ドラえもんの睡眠圧縮剤があれば余暇時間は増えるか?

ドラえもんのひみつ道具の一つに「睡眠圧縮剤」というものがある。睡眠圧縮剤を服用した後に寝ると1時間の睡眠で10時間分の睡眠を取ったことになるという優れものだ。


この睡眠圧縮剤、日本の忙しいサラリーマンにとっては喉から手が出るほど欲しいものではないかと思う。睡眠圧縮剤があれば24時間のうち1時間を睡眠時間にあてるとして1日に23時間も活動でき、長時間の残業を終えて深夜帰宅した後にも十分な睡眠時間と余暇時間を確保できるのだから当然の話だ。

※起きてから約14時間後にメラトニンという睡眠ホルモンが分泌されて眠気が出てくるので実際に23時間連続で活動するのは難しいのかもしれないけれどその辺りは無視。というか、こういった人体の仕組みもおそらく睡眠圧縮剤が解決してくれるのだと思う。



しかし、実際はそう上手くはいかず、仮に睡眠圧縮剤があっても余暇時間は増えないのではないかと僕は思う。もちろん、睡眠圧縮剤を自分一人だけしか持っていない状況であれば深夜帰宅した後にこっそり服用して1時間仮眠(=10時間分の睡眠)を取った後に余暇時間を存分に楽しむことは可能だ。

一方で、睡眠圧縮剤が広く社会で服用されるようになった場合を考えてみたい。今は昔と比べてパソコンを始めとする機械等の性能向上によりかなり効率的に仕事ができるようになっているけれど、昔と比べて労働時間が減っているかといえばそんなことはなく、昔から1日8時間労働に加えて残業があるという状況は一切変わっていない。

これは日本における仕事への取り組み方が原因だ。例えば、ある製品を作る工場において機械の性能向上により時間あたりの生産数が2倍になったとしたら生産数を据え置いて労働時間を半分にするのではなく、労働時間を据え置いて生産数を2倍にするというのが一般的だ。御存知の通り、日本では空いた時間があったらとにかくその時間も仕事をするために費やさなければならないのである。

こういった働き方を前提としている日本社会に睡眠圧縮剤が広まれば答えは言わずもがな。睡眠時間が1時間に圧縮されてできた空き時間で更に仕事をしなければならなくなるに決まっている。そう考えると、1日に20時間以上も仕事に費やせてしまうことになるため、今よりも状況が悪化し更なるブラック化が進んでしまう可能性が非常に高い。



日本で余暇時間を確保するためにまず必要なのは、「仕事>>>(超えられない壁)>>>余暇」という仕事を絶対視する価値観を根本から覆すことだ。「余暇>>>(超えられない壁)>>>仕事」という価値観が根付かない限り、仕事の効率化や仕事に使う機械類の性能向上がいくら進んだとしても余暇時間が増えることはあり得ない。

仮に睡眠圧縮剤が現実のものとなったとしても、仕事に対する価値観が覆って余暇時間に重きをおくようになるまでは日本では睡眠圧縮剤は使用禁止にした方が良いと思う。



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