仕事は押し付けた者勝ちな日本社会

僕が新卒で入社した会社で初めての夏季休暇が目前に迫ったある日、上司からとある仕事を押し付けられた(任された、とはあえて言わない)。単なるデータ入力の仕事だったので特に難しい内容ではなかったが、ボリューム的に丸一日くらいかかりそうな量であることはすぐにわかった。また、締め切りは僕の夏季休暇中の日(2~3日目くらい)であった。

この頃の僕は先輩と一緒に丸一日外出していることが多く、仕事を押し付けられた日から夏季休暇までの間も毎日外出する予定だったのでとても日中にデータ入力をしている暇なんて確保できるわけはなく、しかも、当時は研修が終わって配属直後だったために部署内のルールで新人は残業禁止であり、定時以降にその仕事を行うことも不可能だった。

そのため、仮に押し付けられた仕事を期日までに完成させようとした場合、夏季休暇を取り下げなければならないため、指定された期日までに仕事を完成させることはできないという旨を上司に伝えたところ、上司の口からは「別に夏季休暇を取るなとは一言も言っていない。仕事が終われば予定通り夏季休暇を取ってもらっても全然問題ない。」というニュアンスの言葉が飛び出した(正確に何と言ったかまでは覚えていない)。

口では「終われば休んで良い。」なんて言っても、条件的に絶対に期日までに終わるわけがない仕事なんだから、結局は遠回しに「休みを取り下げて仕事をしろ!」と言っているのと全く同じである。このとき、僕はサラリーマンの理不尽さを初めて味わった。もちろん、仕事を終わらせるために夏季休暇を取り下げたことは言うまでもない(結局、10月くらいに遅めの夏季休暇を取ることはできた)。

前置きが非常に長くなってしまったけど、会社に勤めていてこのような理不尽な経験をしたことがある人は非常に多いのではないかなと思う。僕の場合は押し付けられた仕事のせいで休みがおじゃんになってしまったが、最も多いパターンとして考えられるのは、とても定時内に処理できる量ではない仕事を押し付けられて「お前は仕事が遅い。」と一方的に叱責される、というようなものだろうか。

このような理不尽な扱いが起きてしまうのは、与えられた仕事はどれだけ量が多くても・どのような条件下であっても最優先且つ最高のパフォーマンスで処理しなければならないという暗黙の了解が日本社会に存在しているから、というのが大きな原因だ。

仕事が何よりも大事という日本社会に存在する悪しき習慣の内のひとつであることは間違いないだろう。



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