ブラック社労士の話

先日、高校時代のクラスメイト(以下、A)と卒業以来初めて会う機会があった。近況報告ということで、卒業後に何をしていたとか今の仕事はどうだとかいう話をした中でビックリした話があったので紹介したい。




Aは数年前に社労士(社会保険労務士)の事務所で働いた時期があった。小さな事務所で多くの仕事を抱えていたために毎日残業が当たり前となっており、労働環境はあまり良くなかったようだ。残業した分の残業代こそ支払われていたものの、常態化していた長時間労働に堪えられなくなったAは辞めることを決意し、その旨を事務所の先生(=社労士)に伝え退職することとなった。

そして、退職することが決まった後、長時間労働で休む暇がなかったために溜まりに溜まった有給を退職前に全部消化したいとAが申し出ると、「小さい事務所で大変なのにタダで給料をくれてやるようなことができるか。」と事務所の先生に有給取得を却下されてしまったらしい。



最終的には、Aが労働基準監督署に駆け込む素振りを見せると一転して有給全消化の許可が降りたらしいけれど、この話は僕にとってはかなりの衝撃だった。

そこら辺のブラック企業の社長が労働基準法に無知であるため社員の有給取得を却下するのであればその状況は理解できる(社員を雇うのであれば労働基準法の中身は当然知っているべきなので許されるわけではないが)。しかし、Aの有給取得を却下したのは労働基準法に詳しいはずの社労士であり、有給取得の却下が違法行為であることを知りながらあえてそれを行った確信犯であったからだ。



労働相談等を行うNPO法人POSSEの代表である今野晴貴氏の著書「ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪 文春新書 / 今野晴貴 【新書】」では、ブラック士業(ブラック企業に加担する弁護士や社労士)の話が取り上げられていたけれど、自らブラックな行いをするブラック社労士が存在することにはただただ驚くばかりである。

特に、労働基準法のルールを破らない範囲でAに有給を取らせないように尽力した、というのであればまだ話はわかるが、そういうわけでもなく何の根拠もなく力技で有給取得を却下しようとしたというのだから開いた口が塞がらない。



Aが勤めていたこの事務所は仕事が正確で速いということで評判が良く多くの顧客を抱えていた(おそらく今もいる)らしいが、自分の事務所の社員に対して違法行為を平然とやってのける社労士がどのような仕事をしているのか。少なくとも、労働者の立場からすると、あまり良い仕事はしてくれそうにない様に思える。

こういったブラック社労士が多くの企業に入れ知恵をすることがブラック企業増加の原因の一つなのかもしれないと思うととても残念である。



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