アルコール飲料のCMで「ごくごく」・「ぐびぐび」の自主規制。他人への過剰な配慮は必要なのか?

アルコール飲料のテレビCMの出演者の年齢が25歳以上となり、「ごくごく」・「ぐびぐび」と美味しそうに飲むときの効果音や喉元のアップもなくなる。

「ごくごく」「ぐびぐび」やめます アルコールCM
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150901-00000027-asahi-soci


酒類を製造販売している9団体で構成されている「酒類業中央団体連絡協議会」が、法規制のないアルコール類の宣伝・広告の方法の自主基準を定めた結果、上記のようになったとのこと。

CM出演者の年齢引き上げ(20歳以上 → 25歳以上)は理解できる

今まで法律で飲酒可能となる20歳以上としていたCM出演者の最低年齢を引き上げて25歳以上とするというのは、まあ理解できる。20歳というのは法律上では飲酒可能であってもかなり若いので有名人ともなれば未成年者への影響力が強く、年齢がほとんど変わらない憧れの出演者がCMで美味しそうにお酒を飲んでいたら未成年者がお酒に興味を抱いて場合によっては飲んでしまうかもしれないからだ。

一方で、25歳以上というのは未成年者からすれば明らかに大人(「おっさん」と「おばさん」にしか見えない)なので、美味しそうにお酒を飲んでいたとしても「お酒は大人の世界の飲み物だ」という感想になりそうなので、未成年者の飲酒を防止する点ではある程度効果を期待できる気がする。

上記に関しての客観的なデータがあるかどうかは知らないし調べてもいないけれど、CM出演者の年齢制限については、18歳から飲酒可能なオーストラリアと同21歳からのアメリカでは「明らかな成人」としてCMに出演できるのは25歳以上と定められているとのことなので、妥当なところだと思う。

「ごくごく」・「ぐびぐび」・喉元アップの禁止は必要なのか?

一方で、個人的に気になるのはアルコール依存症患者への配慮として「ごくごく」・「ぐびぐび」の効果音や喉元のアップをやめるという点だ。

お酒が美味しそうに見えると未成年者が興味を持つからこれらを禁止にする、というのであれば分かるけど、既に成人している人がほとんどであろうと思われるアルコール依存症患者がCMを見ると苦痛を感じるから禁止とする必要性がよくわからない。「苦痛に感じる」という点だけで考えれば、ハゲの人には苦痛だからシャンプーの「髪の毛フサァ」をやめる、足が不自由な人には苦痛だからスポーツ選手が激しい動きを行うCMをやめる、というのと同じレベルの話である。

アルコール依存症患者はCMに触発されてお酒を飲んでしまったら病状が悪化する・最悪死ぬという可能性がある(ハゲの人や足が不自由な人が髪の毛やスポーツ選手のCMを見ても死ぬことはない)から、というのが配慮の理由な気がするけど、成人への配慮としては過剰ではないのか?。

少なくとも患者本人や家族がアルコール依存症を治したいと本気で思っているのであれば、お酒のCMが放送される可能性のあるテレビやお酒が掲載されている新聞の広告など、お酒に関連するものは即廃棄する・本人にわからない場所に隠すなどを行うべきであり、それでもダメなら治療のために入院生活を送るなど、専門的な徹底的に治療を受けるのが筋ではないのだろうか。

過剰な自己責任論は好きではないけれど、アルコール依存症は自然に発生する病気ではなく、過剰なストレスなどの環境のせいでお酒に溺れたのだとしても最終的には本人に責任があるのだから、そこまで配慮を行う必要性を全く感じない(もちろん、アルコール依存症になってしまった人の治療などを支援すべきではないという意味ではない)。

他人の目を気にし過ぎるのは良くない

お酒を販売する側も、お酒の美味しさを大々的にアピールして販売したいところを社会への影響を考えて泣く泣く自主規制しているのが現状だろう。

お酒に限らず自主的・強制的に関わらず行き過ぎた規制によって表現の自由度が狭まってしまうと面白みのない息苦しい社会になってしまうので、何でもかんでも過剰に反応するのは良くない。特に、他人の目を気にし過ぎて窮屈になるのだけは可能な限り避けるべきではないかと思う。



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